小川糸さんの「ライオンのおやつ」を読みました。
小川糸さんの作品は初めて読みました。
優しい文体で物語世界に包み込んでくれるような小説です。
若い末期がんの女性が瀬戸内の島にあるホスピスで最期を迎えるまでの物語。
ストーリーとしては単純です。
しかし、文体が優しく登場人物も優しく何度も心が刺激され涙腺が緩みました。
特別な表現があるわけではなく、さらさらとした文体ですが
常に涙腺が緩みながら読んだ作品は珍しいかもしれません。
ずっと心が刺激されている感覚です。
ずっと、いい気持ちで読み進めていく事ができます。
今の生活への感謝
近くにいる人を大切にする心
他人に貢献できることの有難さ
雑事の多い日常では忘れがちな、
本当に大切な事を思い出させてくれます。
小説を読む時
真っ白いキャンバスに自分の想像を映していきます。
頭の中で、物語世界を作っていく作業は楽しいです。
自分が知っている瀬戸内海の島を思い浮かべながら読みました。
沢山の瀬戸内海の島を経験していることを思い出しました。
あそこの島には誰々といったな。
こんな思い出ができたな。
と心が刺激されました。
瀬戸内の島を舞台にしたという所も小川さんのさりげない心遣いなような気がしました。