高野秀行さんの「語学の天才まで一億光年」は名著である

高野秀行さんの「語学の天才まで一億光年」を読みました。

高野さんの新刊本ということで、はずれるはずはなし。

 

 

高野さんの本はまず「未知」を体験させてくれる。

メディアも「文字」だけなのに、情景が鮮明に思い浮かぶ。

文章がうまい人というのは本当に尊敬する。

 

辺境に行くには語学力が必須の能力となる。

とにかくネイティブにならい語学の「ノリ」を身に着ける。

日本語の「ノリ」は口先でぼそぼそしゃべり、へいこらすること。

なんか情けなくなってしまった。

 

タイ語はさえずるような言語であったり

中国語は腹の底から出す言語であったり。

 

言語学的な考察もたくさんあり、勉強にもなった。

言語を覚えることも「探検」といいきる。

たしかに未知にトライすることはすべて「探検」だ。

 

高野さんの経験は唯一無二であり、誰も真似できない。

だからこそ、「本を読むこと」でしかその世界を味わうことができない。

 

読んでいてわくわくする本というのはそう多くはない。

多かれ少なかれ我慢して読んでいる事がある。

 

しかし、高野さんの本はおもしろくてあっという間に読み終わってしまう。

ものすごい濃い内容なのに、さらさらとお茶漬けのように読めてしまう。

高野さんの人生がぎゅっと詰まった内容である。

何度も笑い、感動し、表紙を撫でた。

 

高野秀行さんは怪物である。