前回、イザベラ・ディオニシオさんの「女が書けない文豪たち」という本に思いがけなく出会ったことを書きました。
著作2冊目だったようで、1冊目の本も読みたくなり、
「平安女子は、みんな必死で恋してた」を読みました。
面白すぎて一気読みです。
一度は聞いたことがある文学作品ばかりが並びます。
文学作品というとお堅いイメージが付きまといますが
イザベラさんが調理すると、庶民テイストへ早変わり。
平安文学作品で有名どころはだいたい女性が書いています。
そして必ずと言っていいほど恋愛が絡んでいます。
現代の感覚からはぶっ飛びすぎていて、R18指定となる場面も多々あり。
中学生や高校生で古典を習うけど、
とっても面白い部分は秘匿されて教えられていたようです。
そりゃ、教えられないようなって思います。昼ドラみたいですから。
イザベラさんは、「むふふ」といった感じで古典を読み解いていっているのが読んでいて解ります。
それがにじみ出ている文章。
非専門家、マニアの方が書くとこんなに感情移入ができるものなのか。
平安女子もさながら平安男子の所業は現代ではほぼ犯罪です。
過激すぎてここでは書けません。
女子の立場が絶対的に弱い時代。
自由に恋愛をすることはできず、殿方が夜這いをしてくるのを待つということしか
恋を成就させる手段がなかったのです。
敵は殿方ではなく同僚にあり!
女同士の戦いは熾烈を極め、お互いをボロクソにいいます。内ゲバが始まります。
それを文章で書き残し、現代まで残っているのだから最高です。
現代のSNSとそっくりです。
愚痴と不満と足の引っ張り合い。
自分が正しいんだ!
1000年前も人間は同じことをしていたようです。
きっと西暦3000年も手段は違えど同じ事を人類はしているのでしょう。
1000年前と違う所は、法治国家であるという事でしょうか。
平安文学は宮廷恋愛文学でもあります。
貴族のお恋愛ですが、実は現代の庶民の恋愛とそっくりなのです。
イザベラさんの作品を読むと古典のハードルが下がり、平安貴族がグッと身近になります。
3冊目がでないかな。