猪瀬直樹さんの「日本国・不安の研究」「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!
を読みました。
最近読書がめっきり減ってしまいましたが、いつも読ませていただいているブロガーの方がおすすめしていたので読んでみました。
医療介護業界のど真ん中にいるわけなので、外野からはどのように見られているのか?
中の人になってしまうと、問題点が見えなくなってしまうので
普段の診療や報酬に疑問を持つことはなくなります。
「そうなっていた」という言い方がしっくりきます。
1日3食食べるのが、生まれた時から当たり前という感覚です。
「そうなっていた」から。3食、食べるわけです。
医療・介護といっても斬りこんでいる所は介護保険制度、調剤薬局とやや周辺の部分です。
猪瀬さんのデータ分析はさすがだなと思いました。
非常に問題点をピンポイントでついています。
既得権益層からは「そこ触れられたくないんだよ」というところを突いてきます。
だから都知事やめさせられたのかな?
正しい事をいう政治家は既得権益層から圧力をかけられてやめさせられる。
正しいことをいうとメインストリームからは退場しないといけないのが現在の日本国です。
まあ、なあなあでやりましょや、ってな雰囲気がまん延しているのでしょう。
ガツンと頭を叩かれないと、国自体は変化しませんね。
危機感がないと、人間は変われないものです。
とても分かりやすい文章だし問題点もはっきり説明してあります。
感情的な議論はなく、ややブラックな例えが多くエンタメ性もあります。
親しみをこめて勝手に猪っちと呼ばせていただきます。
介護業界は需要が多いのに供給が追いついておらず、
公金でパイが決まっているため、人が増えると人件費が下がるという市場原理とは真逆の力学で動いています。効率化しか、方法がないのです。
調剤薬局の複雑な加算のお話は、自分が知らない事がたくさんありましたが
薬局は儲かるというのは本当の様です。
私の先輩は一番コスパのいい仕事は薬剤師だと言っていました。
自分の子供になってほしい職業は医者じゃなく、薬剤師だと。
当時はふーんと聞いていましたが、これを読みなるほどと思いました。
でも、この本を読み一番感じたことは、業界の構造の問題(既得権益)ではなく
なにも疑問も行動も起こさない国民の方にあると思いました。
結局、疑問に思っても行動は起こさず
「そんなもんなんだ」と文句もいわず受け入れている事ではないでしょうか。
猪っちは疑問の感度も高いし、行動も起こすことができる人です。
そういった異分子はすぐに排除されてします。
きっと日本国というDNAは異分子が現れるとアレルギー反応を過剰におこし
袋叩きにするという免疫反応が起きるのだと思います。
だから黙っているのです。
政治家は国民の代弁者であってはいけないのです。
代弁者=既得権を守るとなってしまうから。
政治家は現状に疑問をもち行動する人じゃないといけないのだと思います。