行きつけの書店が閉店してしまうという悲しいニュース。
2つの書店を行ったり来たりして利用しているが、その1つが閉店となる。
書店には想い出が付属する。おすすめ本も違うから、そこで意外な本を発見したものだ。
閉店する前に行かなきゃということで、たまたま三宅香帆さんの特集がされており
「女の子の謎を解く」を見つけた。
私にとっては名著であった。
私の名著の定義は
1.とにかく次が読みたくなる(ゾーンに入る)
2.ビールを飲みながら読むことができる(youtubeより優先)
3.風呂に入りながら読むことができる(のぼせてても集中して読める)
4.休みの日の気怠い午後に読むことができる(集中力がなくなる時間帯でも読める)
5.昼休憩に読むことができる(読書が最高のストレス発散となる)
である。
三宅香帆さんの書評はマニアックであり作品の好きがあふれている。
古典にしろ、漫画にしろ未知の領域に私を連れて行ってくれる。
ジブリや有名漫画、名作の女性主人公の立ち位置を時代背景と共に批評してくれる。
過去から現在にかけてヒロイン(女性主人公)はどう変遷してきたのか。
男を惑わす女性、男を守る女性、自己プロデュースする女性、悪と戦う女性、ケアする女性 と様々な作品から三宅節を炸裂してくれる。
女版山田玲司、山田五郎なみにマニアックな知識をわかりやすく面白く届けてくれる。
そこまで深く読んでいるのかと感心するし、
他の作品と比較してまとめる力に脱帽する。
さらに個人としてのヒロインだけでなく
姉妹ヒロイン(となりのトトロやアナ雪)や母娘ヒロイン(宇佐美りんの「かか」、川上未映子「乳と卵」など)、シスターフッド(同じ境遇同志の女性の連帯)の分析も面白い。
2010年代に入り多い設定が母娘問題なのだという。「毒親」という言葉も流行っている。毒親というとき父親よりもむしろ母親が連想される。
父親はわざわざ毒親といわれることはない。昔からアル中・虐待で悪者になることが多くて流行りとはいいがたい。
しかし「母に支配された娘」という構図は現代社会の闇として、たしかに表面化してきている気がする。
「父殺し」は昔から文学のテーマであったが、現代は殺すべき父が弱りすぎていない。
文学的テーマになりやすいのは「母殺し」である。
しかし、母殺しを成し遂げた作品はないようである。殺すのではなく「和解」。
母と自分は結局似たもの同士なのだという事に気づく事が多いようだ。
そして、母を結局受け入れるという構図になる。
たぶん母を殺すと自分も死ぬ事が分かるのであろう。
そういう目線で流行の本を読むのも面白いと思う。
最近読んだ村上春樹さんの「夏帆」も母娘問題であった。
それに気づいたときにぞっとした。
村上春樹さん、同じようなことを書いているけど最先端じゃん。
今読んでいる本が、以前読んだ本とつながる。
これは全くパーソナルな体験である。
だから読書はやめられない。
そんな場を提供してくれる書店は私にとっては究極なサードプレイスなのだ。
読書が趣味になったことは幸せである。一生遊べるよ。